美容師はとても転職率が高い職業であると言われています。
実際にその数値はどれくらいなのでしょうか?
美容師の離職率は10年で92%…!
美容師の離職率は美容師という職業についてから10年間でなんと92%もあります。
これはかなり多い数値ですよね…。
ちなみに1年目で約50%、3年目で約80%です。
この離職率というのは、初めて務めた美容院を離れる割合なので、他の美容院に移った場合と美容師自体をやめて異業種に転職した場合の両方を含みます。
しかし、それにしてもどうしてせっかく就職した美容院をこんなに短期間で辞めてしまうのでしょうか。
その理由について次にご紹介します。
美容師の転職率が高い理由5つ
なかなかスタイリストになれない…
美容師の下積みにかかる期間は他の職種に比べてもかなり長いのです。
平均してアシスタントからスタイリストになるまでに3年かかります。
この3年間の間は他のスタイリストの担当のお客様のシャンプー、トリートメントやドライヤーなどの手伝いを中心として、開店時間外にカットモデルやマネキンでカットやカラーの施術練習をすることになります。
給与が安い…
美容師の平均年収は285万円です。
これは新卒の年収が400万円であるのに対して低めであるといえます。
もちろん美容師としての立場が上がるにつれて給料は上がっていきますが、アシスタントの場合で初任給が10万円前後、スタイリストで20万くらいが相場のようです。
この下積み期間の給料に関しては、青山などの一等地で美容院の激戦区である地域のほうが低いことが多いといわれています。
しかし、努力次第で人気スタイリストや経営者になれば年収1000万から2000万を目指すこともできます。
ノルマが厳しい…
ノルマが厳しいというのもよく聞く話ですね。
お客様から指名をもらって売上を伸ばすというノルマ以外にも、シャンプーなどヘアケア商品の販売ノルマであったり、街中で声をかけてカットモデルを確保するというノルマであったり美容院によって様々です。
またその厳しさも美容院によって異なり、かなり厳しいところではノルマを満たさなかった分は自分で商品を購入しなくてはいけないという雰囲気があるところもあります。
美容院のヘアケア商品は高価なものが多いですし、そう消費するものでもありません。給料が低いこととも相まって、自分で購入しなければならない場合、かなりお財布事情は厳しくなってしまうでしょう。
休みが少ない…
まずこれはサービス業全般に言えることなのですが、休みは週1であることがほとんどです。その週1日も土日祝日は美容院自体が忙しいためほとんど休めないです。
有給などもありますが、個人経営などで規模が小さい美容院では取れない場合もあります。その点大手チェーン店などではしっかりそういった面が整備されていることもあります。
また、休日が少ないことに加えて、勤務時間外の講習がある店舗もあります。場合によっては閉店後のカット練習などは残業代がでないこともあり、帰宅時間が深夜になってしまうことも珍しくはありません。
接客対応によるストレス
接客対応にはどうしてもストレスがつきまといます。
しかも主な客層は若い女性で、髪を切るという容姿に大きな影響を与えることをお金をもらってするわけですから、そのプレッシャーはかなり大きいのではないでしょうか。
もちろんそれは美容師という仕事のやりがいにもつながることなので悪い面ばかりではないのですが…。
私の聞いた話ですが、知り合いの美容師が女性の髪を切っていたところ何故か急に泣き出されたことがあるそうです。特に失敗したわけではなく、文句を言われたわけでもないそうなのでどうしたらいいのかもわからず…。モヤモヤとしたそうです。
このようにちょっと変わったお客様がいたり、クレーマーがいるのは接客業ではある程度避けられないのかもしれません。
残りの8%が美容師を続ける理由とは
こういった理由がありながら残りの8%は美容師を続けています。
そこにはこういった理由があるそうです。
- やりがいがあるから
- 自分に向いていると感じるから
- 今持っている資格を活かしたいから
- 経済的に働き続けないといけないから
確かに転職って不安ですし、何よりせっかく専門学校に通ってとった資格を無駄にしたくないですよね。
思い切って転職をするのもおすすめ
でも、辛い条件が多い職場で働き続けるのって、身体的にも精神的にもかなりのストレスがたまりますよね。
そういうときには、美容師を辞めなくても美容院を変えるだけでかなり改善される場合もあるんですよ。
例えば、給料や休日はその地域や美容院の方針によってかなり違いますし、ノルマも達成しなければペナルティがあるというのは、法律によって本来禁止されています。
ある程度の下積みや我慢は必要にはなりますが、それでも我慢しすぎるのはいい結果をもたらしません。
もし「転職したほうがいいかもしれない…」と思い浮かんだら、思い切って転職に踏み出してみるのもおすすめです。